『まことのみんなの幸のために』

(宮沢賢治著「銀河鉄道の夜」からの引用句)

すべての子供たちが音楽家になる、そのためだけの教育ではありません。

子供たちのほんとうの幸せのために、そしてすべての人のほんとうの幸せのために、生活そのものの中にある自分自身を少しでもより良く、と完成させていくこと、この中に人生の時間をかけて創りあげていく芸術があります。

音楽を学んでいく時間の中で感性を育み、「気づく心」と「改善していく力」を身につけていくお手伝いをさせていただきます。そうして音楽によって培われた能力は、あらゆる分野に進んでも役立ち、想像以上の恩恵があるものです。


宮沢賢治『精神歌』の言葉

「マコトノ クサノ タネマケリ」

ヴァイオリンは純真な子供たちに "まことの心の種"を蒔き

その苗を育てる楽器


「ワレラ ヒカリノ ミチヲフム」

やがて光の道を歩める人に育っていただきたい

心からそう願います


IHATOV

イーハトーブ

イーハトーブ、それは宮沢賢治が目指した理想郷…

大自然の中に生かされ、人間、動物、すべての生命が尊ばれ、調和された世界のために、まず子供たちと始めたい…


一人の心の調和が「まことのみんなの幸(さいわい)」につながっていく、そう信じて、真善美を日常で追求し、反省という人生最大の道案内、足もとを照らす光を大切に歩みを進めて参りましょう。

白﨑 靖子




鈴木鎮一著「愛に生きる」より

━━━ 芸術の実体は、そんな高いところ、遠いところにあるものではなかった。それはもっとも日常的な私自身の感覚の成長と心のあり方と働きと日常の起居 ━━━ それがわたしの芸術そのものであり、そうでなければならなかったのです。ひとにあいさつをすることも、自己表現としてそれは芸術でした。

ある音楽家がりっぱな芸術を欲するならば、自分をよりりっぱにし、それに表現を与える。するとそこにかれのりっぱな姿が現れる。その音楽家が字を書けば、その時の姿にかれが同じように現れる。

芸術はとび離れたところにあるのではない。

芸術作品は全人格・全感覚・全能力の表現である。

━━━ もはや芸術とは何かという問題は解決されたのです。あとは自分でやればよかった。より高く、自分をみがきなおす ━━━ それでよいからです。



宮沢賢治著「農民芸術概論」より

photo : Yasuko Shirasaki

世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない

━━━ 正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである

━━━ われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である

━━━ そは常に実生活を肯定しこれを一層深化し高くせんとする

そは人生と自然とを不断の芸術写真とし尽くることなき詩歌とし 巨大な演劇舞踏として観照享受することを教へる

そは人々の精神を交通せしめ その感情を社会化し遂に一切を究竟地にまで導かんとする

かくてわれらの芸術は新興文化の基礎である

━━━ いまやわれらは新たにただしき道を行き われらの美をば創らねばならぬ

芸術をもてあの灰色の労働を燃せ

ここにはわれら不断の潔く楽しい創造がある

━━━ 誰人もみな芸術家たる感受をなせ

然もめいめいそのときどきの芸術家である

‥‥‥おお朋だちよ いっしょに正しい力を併せ われらのすべての田園とわれらのすべての生活を一つの巨きな第四次元の芸術に創りあげようでないか‥‥‥